世間話 政治

「#検察庁法改正案に抗議します」を分かりやすく解説します

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黒川さんは検事総長にはなれません

多くの人が誤解していること

皆さんは安倍総理が自分の言うことを聞く黒川さんを検察庁のトップにすると思っていませんか?

黒川さんを検事総長にすれば、もし自分たちが悪いことをしても捜査するなと命令できる。だから検察庁法を改正しようとしているに違いない。と。

でも、それは大きな誤解です。

いま議論している改正案が成立してもしなくても、黒川さんは検事総長にはなれません。

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今回の検察庁法改正案は、簡単に言えば働いている職員の定年を延ばす法案。

人生100年時代において定年が60歳というのは早すぎる。

もう少し働けるようにしようよという勤務延長制度に関する内容です。

黒川さんの件とは無関係な話。

ではなぜ、野党やマスコミの人たちは怒っているのでしょうか。

稲田検事総長vs安倍総理

ここでの登場人物

稲田検事総長 検察庁で1番偉い人

黒川東京高検検事長 検察庁で2番目に偉い人

林名古屋高検検事長 検察庁で4番目に偉い人

官邸 安倍内閣

会社において社長が交代する場合、普通は副社長が昇格するのが一般的です。

検察庁でも検事総長が交代する場合、2番目に偉い東京高検の検事長が昇格するのが慣例ですが、稲田さんは黒川さんのことがあまり好きではないようで、林さんを自分の後継にと考えていました。2019年11月頃の話です。

ところが、官邸は黒川さんの起用を強く希望。検察庁を管理する法務省を通じて稲田さんに黒川さんへ検事総長の椅子を譲るように打診しますが、稲田さんは安倍さんのことが好きではないため、官邸の意向には従いません。

ちなみに、検事総長を誰にするかの任命権は今も昔も官邸にありますが、クビにする権限はありません。自分で辞めると言わない限り総理大臣と言えども検事総長を交代させることはできないのです。

官邸が何を言おうと、自分の後任は林で決まりだと、稲田さんは安心していたに違いありません。

なぜなら、検事長には63歳定年というルールがあったからです。

マスコミの逆鱗に触れた63歳定年延長

検事長には63歳の定年で検察庁を辞めなければならないというルールがあります。

黒川さんの定年は2020年2月

林さんの定年は2020年7月

黙っていても、2020年の2月が来れば黒川さんは検察庁を去る。

その後に稲田さんが検事総長を辞めれば林さんに譲ることができる。

稲田さんと林さんを応援していたマスコミも安心していたことでしょう。

ところが、ここで官邸がウルトラCの巻き返しをします。

それが野党とマスコミの逆鱗に触れた黒川さんの定年延長です。

2020年の2月に定年を迎える直前の1月31日、政府は黒川さんの定年を6ヶ月延長することを閣議決定したのです。

これで、黒川さんの定年は2020年8月になりました。

そうです。稲田さんは8月まで辞めることができなくなったのです。

林さんの定年は7月。官邸が林さんの定年を延長することはありませんから、これで林さんに検事総長を譲るシナリオは打ち砕かれました。

稲田さんが8月までに辞めれば、後任は黒川さんに決まるのは間違いない。

黒川さんには譲りたくないから、稲田さんは辞めることができない。

稲田さんが辞めなければ林さんにも譲れない。

まさにジレンマです。

このウルトラCがマスコミの逆鱗に触れました。

大いに激怒し、反安倍の大キャンペーンを展開します。

その一端が、「#検察庁法改正案に抗議します」というわけです。

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