2017衆院選は野党の失速も手伝い、自民党が圧勝する結果となった。これでまた暫く安倍政権が続くことになったわけだが、収まりがつかないのが左寄りのマスコミだ。打倒安倍政権でやってきた彼らにとっては全くもって面白くない。
「こんな選挙、意味がない」
コメンテーターや政治評論家はもとより、テレビ局のアナウンサーまでもが口々に今回の選挙を批判する。
「比例で3割しか支持されていない政党が全議席の6割を獲得してしまう。これで民意を反映していると言えるのか?」
「こんな選挙おかしい。やる意味あるのか?」
終いには、小選挙区制度が悪い。制度を変更すべきだ。と言う人まで現れる始末だ。まるで、世界大会で日本人が強いことに腹を立てた外国勢がルールを変えてまで勝とうとする様に似ている。
果たして今回の選挙は民意を反映していないと言えるのだろうか。
小選挙区制は政権交代を容易にするために20年ほど前に導入された制度だ。ひとつの選挙区で一人の候補者しか当選できないため、落選した候補者の票は全て死に票となる。候補者が乱立するほど死に票は増え、当選者の獲得票の割合は下がってしまう。余程の知名度や人気がない限り圧勝するのは難しい。
仮に、立憲民主党や希望の党が当選した場合でも多くの死に票がでることに変わりはない。
小選挙区制が自民党に有利であるという主張は間違っている。過去には民主党政権も誕生しているし、今回の選挙においても、自民党と野党の一騎討ちになった選挙区では自民は多数負けている。自民党有利は候補者を一本化できなかった野党側の失敗であり、結果論でしかない。
候補者が何人だろうと1票でも多くの票を獲得した者が、その地域の代表者となる。そもそも、選挙とはそういうものではないだろうか。それを民意と言わずして何を民意と言うのだろうか。
私が住んでいる自治体の首長選挙の場合、当選した候補者の獲得票数は全有権者数の14パーセントにも満たなかった。たった1割強の賛成で街の行く末が決まってしまうことに引っ掛かりはあるものの、それを否定してしまっては民主主義は成り立たない。
衆院選の比例で自民党と書いた人の割合は3割だそうだ。であるならば、内閣支持率もそれくらいが自然なのだが、実際には4割から5割の人が安倍内閣を支持している。別の政党に投票してはみたが、現実的なことを考えると今の内閣はそこそこ無難にやっていると思っている人が少なくないことを物語っている。
7割、8割の国民が支持する内閣というのが理想なのだろうが、そんな理想ばかりを追い求めているから左は・・・などと言われてしまうのではないだろうか。
民主主義のこの国で、今の安倍内閣が選挙で選ばれた政権であることは紛れもない事実だ。284議席を与えた民意を彼らは真正面から受け止めるべきではないだろうか。